校長室に怒鳴り込みにいかなかった理由

大人の育ち、私を生きるということ

昔の私なら行っていたかな

怒鳴りにはいかなくても
状況を説明しには行ったと思う
子どもが理不尽な扱いを受けないように

理解を求めて担任と会う、
それがダメなら、校長に直接会いに行く
そういうことを、実際にやってきた

でも今回は行かなかった

子ども2号が停学になった
自転車の乗り捨てが警察沙汰になって、
出校停止、そして無期限停学
表面だけ見れば、子どもにも問題はある

でも私に見えていたのは別のことだった

部活でちょっとスランプになった
怪我して部活ができなくなって、
でもやりたいって治したけど
部活で副顧問に休めばって言われたことが、
自分は不要だと言われた気がした

少し生活が乱れて事が起こった

停学中、課題をめちゃくちゃ頑張った
部活がやりたかったし、
学校に行きたかったから

警察でも色々言われて、反省した
やっと学校に行けるようになったら
ちょっと力尽きた

部活再開には
部活の顧問に謝罪というペナルティまであった
スランプになった経緯の中で
顧問には色々思いがあったらしい

人生どうなるんだレベルで、
高校生なりに考えて、混乱し悩んでいた

そして
「部活がしたいから謝罪に行く。」
ドロドロの鉛のような身体を起こして
彼は学校に行った

ペナルティで与えられた課題を友達とやってて
一息喋っているところに顧問が来て、
そこだけ見て

「やる気がないなら帰れ」と言われ返されたと
対話も何もなかったとLINEで知らせてきた

え?

まさかの学校側からの拒絶 今その対応?
必死に学校行きたい、部活したいって
それを目指して行ったのに?

また学校に行けなくなる

生活もかなり乱れたが、
彼なりに路頭に迷いながらも
信頼できる先輩や放課後デイの先生に話に行っていた

私はそれをずっと見ていた

私も不安しかなかった
生活はどんどん乱れるし、
そもそも思春期男子と話ができない

門限なんてどこへやらで、
流石に日をまたぐことが続いてブチギレて、

本気でぶつかった
そしたら喋れるようになった

色々話して
また、彼は這い上がって
「一回副顧問に話に行く」と学校に行った

話を聞いてもらったが、
それでは事態が何も動かなかった

気力を振り絞ってるから、
また学校に行けなくなる

「やっぱり部活がしたい、
だから顧問に話に行く
メンツとか置いて謝罪しに行く」
彼は再び言った

これは最後のチャンスだなと私は思った
3度目、最後最後の気力を振り絞っている

そう感じて、本人の話を聞いてほしい。
対話をお願いしたい。
最後のチャンスかもしれないと伝えた

「周りは優しい言葉をお前にかけとるかもしれんが俺はかけん」

「お前よりメンタルボロボロで学校来とるやつはいっぱいおる」

顧問にそう言われた、と

「何がしたいんかわからん まじ無理 時間下さい」もう英気を吸われた抜け殻のようだった

そりゃそうやろ


それでも私は校長室へ行かなかった

沸々としたものの感覚と、静寂な静まり返る感覚とが同時に存在していた

見えちゃうんだよね

今までなら、確かに校長先生に会いに行った
でも、見えちゃう、
そんなことしても変わらない

これだけ具体的に、
子どもの精神状態だけでなく

子どもを取り巻く全体の流れがどういう構造になっているかまで説明して、

大人が論点を見間違わないようにと伝えたもの、意図が伝わらなかったってことだものね

女子部の顧問が
どんな立ち位置なのかも、見えちゃう
本当にその立場でできることを最大限やってくださっているのも、見える、感謝でしかない

第3者の担任を介してもなお、変わらない
そこに、どんな組織があるのかも、
見えちゃう

子どもの
何度も立ち上がろうとしている姿が、
全く見られていないことへの
教育者としてのあり方への怒りはある
でも、見えちゃう、変わらない

怒りというより諦め?

いや、わたしのこの静けさは諦めなの?
わたしはやる気がなくなったの?
戦う力がなくなったの?
自分でも「この感覚」がよくわからなかった

語彙力のない私は
こんな時チャッピーと
壁打ちをする技を見つけた

そう
「することがない」
そんな感覚

「私にできることがここにはない」
世間にありふれている「手放し」そんな言葉とは感覚が違う

ただただ子ども2号には
「顧問に何を言われようともあなたの価値は何も変わらない」そう思っている

でも

それを説明しようとも思わない
そして、説明して伝わるものでもない

17歳の若さで、理不尽と戦う子ども2号を
自分自身の不安と闘いながら見つめている

【シリーズ:高校男子の話】
① 校長室に怒鳴り込みにいかなかった理由 ←今ここ
② 何もしていないと思っていた
③ なんとでもなる







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