〜保育現場で活用できる、子どもの行動のヒント〜
子どもの「困った行動」に見えるものが、実は原始反射の残存によるものかもしれません。
原始反射とは、生まれつき備わっている自動的な身体の動きです。 本来は成長とともに統合されていきますが、残存すると行動や感覚に影響を与えることがあります。
原始反射は「悪いもの」ではありません。 その子の神経系が、今どこにいるかを教えてくれるサインです。
① 恐怖麻痺反射

【何のための反射?】
危険を感じたとき、身体を固めて身を守るための反射。
【残存するとどう見える?】
- 突然固まって動けなくなる
- 大きな音や予期しない出来事でパニックになりやすい
- 新しい環境や変化にとても時間がかかる
- 集団の中で緊張して動けない
【現場のヒント】
「怖がりな子」「慎重すぎる子」の背景にあることが多い反射です。 安心できる環境をつくることが、最初の一歩になります。
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② モロー反射

【何のための反射?】
大きな音や刺激に反応して、手足を広げて抱きつこうとする反射。
【残存するとどう見える?】
- 些細な音や光に過剰に反応する
- 常に周囲を警戒していて落ち着かない
- 感情の波が激しい
- 集中が続かない、すぐ気が散る
【現場のヒント】
「落ち着きがない」「感情的になりやすい」子の背景に多い反射です。 刺激を減らした環境が、安心感につながります。
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③ 吸啜・探索反射

【何のための反射?】
口に触れるものを吸い、乳首を探すための反射。
【残存するとどう見える?】
- 鉛筆や袖をよく噛む
- 口に物を入れる行動がなかなか減らない
- 食べ物の好き嫌いが極端に多い
- 口周りへの刺激に過敏
【現場のヒント】 「口に何でも入れる」行動を叱る前に、口の感覚統合が育っている途中かもしれないと考えてみてください。
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④ パーマー反射(手掌把握反射)

【何のための反射?】
手のひらに触れるものを握りしめるための反射。
【残存するとどう見える?】
- 鉛筆や箸の持ち方がなかなか定着しない
- 手先の細かい作業が苦手
- 物を強く握りすぎる
- 手を使いながら話すと集中できない
【現場のヒント】
「不器用な子」の背景に手のひらの感覚が関係していることがあります。 握る・離すの遊びが統合を助けます。
⑤ 脊椎ガラント反射

【何のための反射?】
背中の側面を刺激すると、その方向に腰を曲げる反射。
【残存するとどう見える?】
- 椅子に座っていられない、もじもじする
- 服のタグや締め付けが極端に気になる
- 背中を触られるのを嫌がる
- おねしょが続く
【現場のヒント】
「座っていられない子」が実は背中の感覚過敏を抱えている場合があります。 椅子の背もたれに寄りかかれない子は要チェックです。
⑥ ペレーズ反射

【何のための反射?】
脊椎に沿って指で刺激すると、背中を反らせ泣き声を上げる反射。
【残存するとどう見える?】
- 背中への刺激に過剰反応する
- 姿勢が崩れやすい
- 緊張しやすく、身体が硬い
- 排泄のコントロールに影響が出ることがある
【現場のヒント】
あまり知られていない反射ですが、姿勢や緊張感の背景にあることがあります。
⑦ 緊張性迷路反射(TLR)

【何のための反射?】
頭の位置によって全身の筋緊張が変化する反射。
【残存するとどう見える?】
- 頭を前に傾けると全身が丸まりやすい
- 頭を後ろに傾けると反り返りやすい
- バランスをとるのが苦手
- 乗り物酔いしやすい
【現場のヒント】
「姿勢が悪い子」「体幹が弱い子」の背景に関係していることがある反射です。 頭と身体のつながりを意識した遊びが助けになります。
⑧ 非対称性緊張性頚反射(ATNR)

【何のための反射?】
頭を横に向けると、向いた側の手足が伸び、反対側が曲がる反射。
【残存するとどう見える?】
- 字を書くとき、顔が紙に近づきすぎる
- 黒板を見ながらノートを書くのが難しい
- 左右の協調運動が苦手
- 読み書きに困難がある
【現場のヒント】
「読み書きが苦手な子」の背景に関係することが多い反射です。 学習困難と思われていた子に、この視点が助けになることがあります。
⑨ 対称性緊張性頚反射(STNR)

【何のための反射?】
頭の上下の動きに連動して、手足の筋緊張が変化する反射。
【残存するとどう見える?】
- 四つ這いの動きがぎこちない
- 椅子に座るとすぐ崩れる
- 上半身と下半身の協調が難しい
- 水泳の平泳ぎが極端に苦手
【現場のヒント】
「体の使い方がぎこちない子」の背景に関係していることがあります。 這う・泳ぐなど全身を使う遊びが統合を助けます。
⑩ 足底反射(プランター反射/バビンスキー反射)

【何のための反射?】
足の裏への刺激に反応し、身体を支える準備をするための反射。
【残存するとどう見える?】
- 足の裏の感覚が過敏で、裸足を極端に嫌がる
- 草の上や砂の上を歩くのを嫌がる
- 爪先立ちで歩くことが多い
- 靴下や靴の感触が気になって脱いでしまう
【現場のヒント】
「裸足が嫌いな子」「感触遊びを嫌がる子」の背景に足の裏の感覚が関係していることがあります。
無理に触れさせず、足の裏から安心を育てる関わりが助けになります。
おわりに
原始反射は、その子の「今」を教えてくれるサインです。 できない・しない・困った行動の背景に、神経系の発達の途中があるかもしれません。
詳しい解説は、所属する社団法人のページもあわせてご覧ください。
➡️(「社団法人ここからだ」のホームページを見る
さらに深く学びたい方はこちら
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